神さまに選ばれた理由(わけ)
「それに
あの病院に君は一人で来たから、一人のような気がして・・・でも救ってくれる家族がいる。
僕は退院まで何事もなかったようになるべく普通にすごした。
医者という役割を守りながら。
そして退院の日、おそれていたことが現実に。」
「恐れていたこと?」「ご主人さ。ご主人が迎えに来た。想像と違ったけれど
優しそうな人だったよ。病気の説明を聞いてるとき、泣き出しそうだった。
その人が君を連れて帰った。あの人ならきっと優しくしてくれるだろう
そう思うしかなかった。 そして君を見送ったんだ。
冷えてきた。部屋に戻ろう」
部屋に戻ると少し冷めた足をさすってくれた。
布団の上に座って。
「退院してからは君からのメール攻撃。 僕の決意を覆すような明るいメール。
思わず僕もノーテンンキにメールを返してしまった。
それまでの苦労が水の泡だ。
僕は澪さんのメールの、“ねえ先生。。。”と書き出す下りが好きでね。
そう始まるメールは決まって明るいメールで髪型とか服についてのどうでもいいメールに決まっていた。
ごめん。でもぼくはブログを読んでるようで面白かったね。新鮮だった。で、返信してしまったんだ。。
それに「君がねえ先生って・・・・」耳元でつぶやいてるようで・・・・・・」
「先生からのメール嬉しかった。」
「僕は元の生活に戻ろうとしてたんだ。君ももう退院したし早く忘れて、君と出会う前の僕に戻らなくちゃってね。
なのに“ねえ先生”で始まるメールに何ども騙された。。
あれで元のぼくに戻れなくなった。(笑)」
「まあ、騙されたってひどい、あの頃病気のこと誰にも話せなくて
でもいろんなことが以前とは違ってわたしの身体に
変化がおきてるのに相談できるの先生だけだったもの・・・・・
それにまだ病気のこと全部受け入れられないでいた私に・・・・・・
「この病気にならなけば僕らも出会わなかったかもしれない・・・・私も普段ならいくはずのない
病院へ来たし、先生も赴任してきたばかりと・・・・・・
そう言ってくれた時、運命ってあるのかと思ったのに。
でもそのときより吉野へ行ったあとの方がその言葉かみしめたけどね」
「吉野へ行ったころはもんもんとしていた。
先生は手を停めて私の手を握り、「眠くなったら寝ていいよ」といいながら
先を続けた。「とにかく忙しくて休みの日も病院の中で仕事してた。
ある朝廊下から病室の窓のむこうに桜のはなが見えたんだ。
綺麗だった。病室番号確かめたらそこは345号。澪さん君がいた部屋だった。
それから無理に忘れようとしていたものが急に身体によみがえったような気がした。
講演会に行って、君にあったらもう後先かんがえず誘ってた。
そして君と吉野へ行ったわけ。」
「先生らしくないわね 自分の考えまとめてないなんて・・・・・・」
「そうだ。だからまた迷ってしまったわけだ。迷ってあんな態度をとってしまった」
「なにもできない若造の僕が君を惑わせるのは罪なんじゃなかって。ご主人だって
お子さんだっていて本当は気がついてないだけで
幸せな人じゃないかって。でも最後の外来の日、これが最後だと思うと我慢できなくてもうどうなっても
いいと思って気がついたら白衣を脱いで君を追っかけていた。
あとは君も知ってるとおり。
正直この2年辛かったと言いながら私を抱き寄せた。「何も叶わないのに君への
愛しさだけは募って。」
あの病院に君は一人で来たから、一人のような気がして・・・でも救ってくれる家族がいる。
僕は退院まで何事もなかったようになるべく普通にすごした。
医者という役割を守りながら。
そして退院の日、おそれていたことが現実に。」
「恐れていたこと?」「ご主人さ。ご主人が迎えに来た。想像と違ったけれど
優しそうな人だったよ。病気の説明を聞いてるとき、泣き出しそうだった。
その人が君を連れて帰った。あの人ならきっと優しくしてくれるだろう
そう思うしかなかった。 そして君を見送ったんだ。
冷えてきた。部屋に戻ろう」
部屋に戻ると少し冷めた足をさすってくれた。
布団の上に座って。
「退院してからは君からのメール攻撃。 僕の決意を覆すような明るいメール。
思わず僕もノーテンンキにメールを返してしまった。
それまでの苦労が水の泡だ。
僕は澪さんのメールの、“ねえ先生。。。”と書き出す下りが好きでね。
そう始まるメールは決まって明るいメールで髪型とか服についてのどうでもいいメールに決まっていた。
ごめん。でもぼくはブログを読んでるようで面白かったね。新鮮だった。で、返信してしまったんだ。。
それに「君がねえ先生って・・・・」耳元でつぶやいてるようで・・・・・・」
「先生からのメール嬉しかった。」
「僕は元の生活に戻ろうとしてたんだ。君ももう退院したし早く忘れて、君と出会う前の僕に戻らなくちゃってね。
なのに“ねえ先生”で始まるメールに何ども騙された。。
あれで元のぼくに戻れなくなった。(笑)」
「まあ、騙されたってひどい、あの頃病気のこと誰にも話せなくて
でもいろんなことが以前とは違ってわたしの身体に
変化がおきてるのに相談できるの先生だけだったもの・・・・・
それにまだ病気のこと全部受け入れられないでいた私に・・・・・・
「この病気にならなけば僕らも出会わなかったかもしれない・・・・私も普段ならいくはずのない
病院へ来たし、先生も赴任してきたばかりと・・・・・・
そう言ってくれた時、運命ってあるのかと思ったのに。
でもそのときより吉野へ行ったあとの方がその言葉かみしめたけどね」
「吉野へ行ったころはもんもんとしていた。
先生は手を停めて私の手を握り、「眠くなったら寝ていいよ」といいながら
先を続けた。「とにかく忙しくて休みの日も病院の中で仕事してた。
ある朝廊下から病室の窓のむこうに桜のはなが見えたんだ。
綺麗だった。病室番号確かめたらそこは345号。澪さん君がいた部屋だった。
それから無理に忘れようとしていたものが急に身体によみがえったような気がした。
講演会に行って、君にあったらもう後先かんがえず誘ってた。
そして君と吉野へ行ったわけ。」
「先生らしくないわね 自分の考えまとめてないなんて・・・・・・」
「そうだ。だからまた迷ってしまったわけだ。迷ってあんな態度をとってしまった」
「なにもできない若造の僕が君を惑わせるのは罪なんじゃなかって。ご主人だって
お子さんだっていて本当は気がついてないだけで
幸せな人じゃないかって。でも最後の外来の日、これが最後だと思うと我慢できなくてもうどうなっても
いいと思って気がついたら白衣を脱いで君を追っかけていた。
あとは君も知ってるとおり。
正直この2年辛かったと言いながら私を抱き寄せた。「何も叶わないのに君への
愛しさだけは募って。」