しこりよさようなら
外科の先生は火曜日か木曜日しかいないということで、早速火曜日に予約を入れた。


明日は細胞検査だと思うと、怖くてまた眠れなかった。


翌日受付を済ませて総合待合室で順番を待つ間、携帯小説を読んだ。


いつもならドキドキしたりわくわくしたりすぐに物語の中に入れるのに、その日は一切文字が入ってこなかった。


考えることといえば細胞検査のことばかり。


麻酔ってどこに刺すの?


太い注射ってやっぱり痛いんだよね?


胸の表皮からしこりまでどれ位深いの?


分からないので余計に怖かった。


緊張しながら待っていると、やがて名前が呼ばれた。
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