しこりよさようなら
先生は若めの男の先生だった。


顔や声は登山家の野口健さんに似ていた。


話してみると優しい感じではなく、不安を煽るような人だった。


淡々としているというか無機質なのである。


手術もすぐに埋まってしまうので今日決めた方がいいと言われたけど、心の準備もあるし仕事の兼ね合いもあるから来週決めますと言った。


先生にとっては流れ作業のようなものかもしれないけど、私にとってはお腹に穴を開けるということは一大事なのだ。
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