るぅの涙
「るぅのホッペは冷たくて気持ちがいいね」
「お外は少し寒かったけど、駅から走ってきたの。るぅは寒くないよ」
「おばあちゃんね、少しお熱があるからるぅのホッペは気持ちがいいよ」
「おばあちゃんお熱があるの?
 るぅね、お洗濯もお手伝いするよ」
ちょっと困った顔をしたおばあちゃんに
「るぅはね、そのために来たんだよ。
ほら見て!」
リュックから取り出したエプロンを広げて見せると
「おばあちゃんはこれを見てて。後お土産も入ってるからね」
返事を待たずにるぅは、ベッドの下にあった紙袋を持って、病室から出て行きました。
 コインを入れて洗濯物を入れると、るぅは急いで病室に戻りました。
「おばあちゃん、お手紙とお土産見た?」
「うん見たよ。今日からご飯が美味しく食べられるようになるよ。ありがとう」
「おばあちゃん……るぅね、すごく会いたかったんだよ」
「心配かけたね。ごめんね。でもるぅが来てくれたから、おばあちゃんはがんばるよ」
「おばあちゃんにいっぱいるぅの元気を分けて行くね」
 小さな手を回してギューっと、おばあちゃんを抱きしめました
そしておばあちゃんの顔を見てニッコリして
「るぅ一人でも来れたし、おばあちゃんに会えたからうれしいな」
と、特大のスペシャルスマイルを見せました

するとおばあちゃんも特大スペシャルスマイルで返して
「るぅはがんばり屋さんで、優しくて良い子だね」
おばあちゃんの手がるぅのホッぺをなでるとまたニッコリしてくれました。
 おばあちゃんのホッペの感触を感じながら、るぅは心の中でこう思いました。

『おばあちゃんありがとう!
 るぅはもっと元気を分けたいのに……これ以上どうしたら良いのか分からないから。ギューしたの。
 でも、おばあちゃんが笑顔になってくれたから、これで良いのかな?』
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