るぅの涙
お見舞いに行く
金曜日の夜になって……。
るぅはリュックにパオと一緒に撮った写真と、お気に入りのエプロン、それと落書き帳を入れました。
「ねぇ、パオちゃん。るぅはね、おばあちゃんのお見舞いに行ってくるの。
パオちゃんの写真も渡してくるからね」
そう言いながら、るぅはパオをギュッと抱きしめました。

待ちに待った土曜日がやって来ました。
マムから新幹線のチケットをもらって、帰りの分は肩から下げたポーチに入れました。
 行きのチケットをじっと見つめ、パオをそっと撫でながら
「パオちゃん、行って来るね」
リュックを背負って、もう一度パオをギュッと抱きしめると、
「マム行って来ます。
病院についたら電話するからね」
「気をつけてね、分からなくなったらすぐ電話するか、近くの人に聞くんだよ」
「マム!
るぅはね、ちゃんとメモしたの。
だから大丈夫だよ」
「そっかぁ、それなら大丈夫だよね?
気をつけていってらっしゃい」
 るぅのホッペにマムのホッペが、いつもより強く押し当てられ、ギュッと抱きしめられました。

ドアを開けて外に出ようとすると、パオもドアの前まで来て、お見送りをしてくれました。

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