秘密の時間
秘密のデート
私達の距離は急激に縮まった。
毎晩の電話は当り前になり、メールで連絡も取り合うようになった。
会社ではまだ秘密の関係だけど、でも、それよりも彼を好きで居られることが嬉しかった。
人を好きになるって、こんなにも周りの景色が替わってしまうなんて知らなかったし、それに毎日ウキウキワクワクしていた。
「最近やけに明るいけど、いい事あったでしょう」
感のいい葉子ちゃんはすぐに気付いてそういった。
言ってしまおうかな?
元々は葉子ちゃんが私と部長のキューピッドだったんだし…。
「あのー、実は…」
こっそりと葉子ちゃんの耳元で小さく呟いた。
「私、部長と付き合ってる」
って。
でも、そしたら葉子ちゃんの表情がみるみる変わった。
私はてっきり一緒に喜んでくれると思っていたのに、なんだか急に悲しくなった。
「大丈夫なの? 美優…」
葉子ちゃんの声が遠くに感じる。
どうして葉子ちゃんはそんな悲しげな表情で私を見つめるの?
私はただ俯くことしか出来なかった。