秘密の時間
「そんな顔、すんな。
一応俺は上司なんだし」
「……」
部長の言った台詞の意味はよく分からないけど、
部長の顔が少し赤い気がした。
部長の手が私から離れると共に、視線も逸らされる。
私も恥ずかしくなって俯いた。
「ほら、帰るぞ。
早く支度しろ!」
それから何もなかったように、部長は普通に話し掛けてきた。
コクリと頷くと、部長は無言で私が机の上を片付けるのを待っている。
私は申し訳ないと思いながらも、何も言えないまま黙々と片付けていた。