秘密の時間
今まで、頭の中に浮かんだどうしょもない思いがすうっと引いて行く。
ペットボトルのジュースを手渡してくれた時の、はにかむような笑顔。
どうして私は悪い方に物事を捕えてしまったんだろ?
手の中のペットボトルを見つめたまま、自分勝手な気持ちに悲しくなる。
「どうした? 美優」
部長はいつも優しい。
なのに私は子供じみた考えで、ちゃんと部長の姿を捕えていない。
拗ねたりいじけたり、これじゃあまるっきり子供だ。
子供扱いされたくないのに、子供な態度しか取れないなんて…。
俯いた私の視界に、部長の手が入り込む。
ギュッと優しく私の手を包みこんだ。
「美優、もしかして、こういうトコ、やだったか?」
「……」