秘密の時間
部長はびっくりしたまま固まって…、けどすぐギュッと私を抱き寄せる。
その部長の突発的な行動に、今度は私が固まった。
「美優、ちゃんと伝えてないから、今ちゃんと伝える。
本当は夜まで待って、ここの夜景見ながら伝えたかったけど……
美優…、俺は美優と結婚を前提に付き合いたい。
まだ美優は社会人に成り立てだから嫌かもしれないけど……
俺は結構真剣に、考えているんだけど」
「……」
部長の腕の中で聞いた告白は、部長体温に包まれているからなのか妙に鼓動が暴れだす。
いつも以上に。
部長は、ちゃんと考えてくれているんだ。
私達の今だけじゃなく未来も。
そう思うだけで、胸が熱くなる。
「…美優、聞いてる?
こんな告白、返って引かれたかな?」
部長は何処までも優しい音色の口調で話してくれる。
それだけでも、もう胸がいっぱいで、嬉しくてなぜか涙も溢れてくる。
「部長…」
「ん?」
こんな優しい彼を独り占め出来るなんて…、
私って、幸せ者だ。