秘密の時間
“秘密”がばれる時
その後私達は、その小さな遊園地の乗り物に少し乗った。
周りをよく見てみると、ちらほらとカップルもいる。
絡められた手を引かれ歩く私達は、ちゃんと恋人同士に見られてるだろうか?
なんて心配だったけど、でも、そんな事忘れさせられる程に遊園地は意外と楽しかった。
日が暮れ始める少し前、彼に手を引かれ観覧車を目指した。
割と混んでいて、すぐには乗れなかったが、待つ時間もふたりだと気にならなかった。
やっと順番が回ってきて、私達は観覧車に乗り込む。
空は夕暮れと夜の中間の、淡いグラデーションを繰り広げている。
「美優、元気に、なったね」
にっこり微笑む部長の笑顔が、急に真顔になるから鼓動が突然跳ねる。
ふたりきりの空間。
微かに触れる膝小僧が益々私のドキドキを早める。
ゆっくり登っていく観覧車。
外の景色に目をやり、自分の気持ちを落ち着けようと努力する。
で…でも―…
「キス、してい? 美優…」
部長の小さな囁きに私は振り返ってしまった。