秘密の時間
そんな気分だから、どこにご飯が入っていったのかなんて分からない。
なんだか胸も一杯で、箸も進まない。
今日一日で色々な気持ちに振り回され、もうへとへとだった。
でも、部長の隣は心地よくてなかなか離れられない。
店からでた私達は、部長の提案で少し散歩をすることにした。
冷たい夜風が火照った頬を擦り抜ける。
握られた手から伝わる彼の熱を感じながら、私達は近くの公園に辿り着いた。
「美優、少し座ろうか」
いつもより甘い声で部長が囁く。
それに応えるように、こくり、と頷くと部長の隣に私も座った。
けれと、やっぱり私が部長の隣に居ていいのか不安になる。
どっから見ても、お子ちゃまなわたし……。
「美優、また元気ないね。
もしかして、あの店の奥さんに嫉妬でもした?」
「………」