秘密の時間
部長は私の気持ち、読めちゃうのかな?
不思議と言い当てられるか、つぎの言葉も出ない。
「美優、これからどうする?」
えーと――…
悪戯な笑みを張り付けたとおもえば、妖艶な表情に早変わりする部長。
『どうする』なんて聞かれても、バクバク煩い心臓が邪魔して、上手く物事が考えられない。
そっと肩に添えられた手が、私を引き寄せる。
急に近くなった部長の顔に、益々鼓動の速さは加速していく。
「うちに来る?」
「えっ…」
「てーか、もう離したくない…」
「……」
いつもより甘ーい部長の台詞や雰囲気に、くらくらと目眩をおぼえる。
私も、部長と一緒に居たい。
一分でも一秒でも長く居たい。
部長に握り締められた片方の手。
それを強く握り返した。