秘密の時間
「本当に、いい?」
念を押すように聞いてくる部長は、少し心配な色を浮かべた表情をしている。
私は言葉を発する事も出来ず、また頷く事しか出来なかった。
「ちゃんと意味、分かってる?」
えーと、一緒に居たいのに意味なんてあるの?
部長の視線を見つめ返せば、いつもとは違う甘い雰囲気が滲み出ている。
「美優は、キスより先も知ってるの?」
キスより先?
部長の台詞にまた違う意味で鼓動は跳ね上がるから、困ってしまう。
キスより先……
「美優の事、大切にしたいから、もし無理だったら断ったって…」
「…そ、それでも、一緒に…居たい、です」
たどたとしく震えた唇から言葉を紡ぎだした。
キスより先…、なんて知らない。
でも、部長とだったらいいと思った。
まだまだ、離れたくないから…