秘密の時間


けれど仕事ははかどらず、ただお昼休みが待ち遠しい。



部長はと言えば、なかなかフロアには戻ってこないし、来ても仕事中の今、話し掛けられるどころか目も合わさない。



ジリジリと焦りみたいな不安が押し寄せる中、



やっとお昼を告げるチャイムが鳴った。





私は急いで食堂へ行き、


食堂につくと真っ先に葉子ちゃんを探した。


けど、まだ来てないのか姿はない。



なのでいつもの席を陣取って、お弁当をテーブルの上に乱暴に置いた。



どうしても落ち着かない。



朝の私の知らない部長の一面に、私はただ募る不安や苛立ちをどうしていいか分からない。


そんな私は下ばかり向いていて、周りなど見えていなかった。






「ここ、いいかな?美優」


その声に弾かれた様に顔を上げると……



「……ぶ、ちょう…」




なぜか大橋部長が私の目の前に立っていた。


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