秘密の時間


それより、葉子ちゃんは遅いな……



うわの空でそんな事考えながら、私達はランチを始める。



「美優は、なんか気になる事でもあるのか?」



そう聞いてくる部長に、何をどう伝えればいいのか分からない。



たくさん聞きたいことはある。たくさん疑問もあるけど、どれ一つとして口には出ない。




「美優、こうやって俺達の仲をみんなに知ってもらお。


もしかしたら、ただの上司と部下にしか見られないかもしれないけど、


でも、こうやって少しずつふたりで居る場面を増やせば…」



そう小声で話してる途中、葉子ちゃんが現れた。



その後ろには小山課長?



「よう大橋、お前ずいぶんかわいい子とランチしてんな。

俺も混ぜろ」



悪戯な笑みを浮かべた小山課長はそう言いながら部長の席の隣へ。



葉子ちゃんもニコニコしながら私の隣の席に着いた。

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