秘密の時間


その台詞に、部長を見上げると、口の端を少し上げ笑んでいる。



私はその台詞だけで顔を真っ赤にして、それが恥ずかしくて俯いた。




「ごめん、美優。

でも美優の事好きだから、大切だから…


だから、もう少し


待ってて…」



ソファーに座って俯いている私に、彼は身体を屈め、頬にチュッなんてかわいい音付きのキスを落とす。



その後大きな手は私の頭を撫でた。




「風呂、入って来るから。

ちゃんと待っててね、美優」




いつもいつも、こんな風に私は彼の優しさに包まれている。



それはそれで幸せだけど、彼はどうなんだろ?



私じゃあ物足りないとか、思ってなあ?かな…。


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