秘密の時間
そして、いつもの休日の朝。
お陽様の明かりが窓から降り注ぎ、眩しさに目を細目ながら隣を見れば、ぐっすりと寝ている彼の横顔がある。
寝ている間でも私をギュッと抱き締め放さない、その力に嬉しいような、くすぐったいような…。
これはこれで幸せなのに、最近欲張りな私は、やっぱりこれだけでなんとなく物足りない。
全てを部長のものになりたい。
そう思うのに、結局は自分から言いだせない。
抱き締められた腕からするりと抜け出すと、私は朝食の準備に取り掛かろうとベッドからそろりと起き上がる。
その瞬間、強い力で私の腕を攫い、あっと言う間にまたベッドの中に逆戻りした。
えっ、なんで?
気が付けばさっきよりもっと強く抱き締められて彼の腕の中。
その中で少しだけ抵抗すると、彼の寝起きの擦れた声が耳に届く。
「美優、もう少しだけ…」