秘密の時間
指輪の秘密~side 大橋
出会いは……
まだ美優にもちゃんと話していないこの指輪の事。
本当にフェイクなのだか、それだけじゃあない。
美優には全て話したい。
けど、弱虫な俺の心はいつも都合よく逃げ場所を確保してしまう。
それに、事実を知ったら美優に軽蔑されてしまうかも…。
そう思うと言いたくてもなかなか切り出せない。
初めて身体を重ね、少し苦痛に歪むその表情。これ以上彼女を苦しめたくはない。
でも、いつまでも隣に彼女を置いときたいなら、この話はすべき事。
疲れて眠る彼女を抱き締めながら、俺はまた考え始めた。