秘密の時間
仕事はそういった時期もあいまって、忙しさを増し家に帰る時間も深夜が多くなった。
元々付き合いだして間もなく結婚まで辿り着いた俺達だから、あまり信頼とかはされていなかったのかも知れない。
ましてや、俺達の会社での噂は最悪だった。
出世絡みだから、ふたりとも好き勝手に遊んでる。だの、きっと城田の気紛れで結婚したんだから、三ヶ月モ持たない…。などなど。
やっぱりあまりいい様に捉えられてはいなかった。
と言うのも、城田咲季の男性遍歴はかなりのもので、たぶん俺もその中の一人に過ぎないと思われていたのだろう。
この社内にも城田咲季と付き合っていた男がいたはず。
ただ、俺はそこまで彼女に興味が無かったのかも知れない。
知っていたら、もしかしたら…。
なんて思う時、今更ながら多々あったから。