秘密の時間
けど、この気持ちは秘密。
彼には、大橋部長には知られたくない。
私のこんな気持ちを知ったら、優しい彼の事だからきっと悩んでしまう。
きっとあの笑顔だって自然と溢れてくるもの。
その笑顔を絶してしまったら……。
それはそれで悲しい。
複雑な乙女心をやっぱり彼には伝える事は困難だ。
でも、やっぱりその笑顔は私だけに向けて欲しい。
パソコンの画面から少し目を逸らすと、彼の姿が見える。
その姿をぼんやりと眺めながら、この醜い嫉妬心をそっと解き放つ。
私だけにその笑顔を下さい。
日に日に強くなる独占欲に、私自身もお手上げだ。