秘密の時間
少しだけ、子供扱いされてるのかな?
時々見せるいたずらな眼差しも、けどすぐに優しい物に変わり、だけどそれが最近は物足りない。
大人の余裕に感じられて。
確かに私達は歳は離れているけど、でも同じ目線で何もかも見詰めていたい。
少しぬるめの湯船に浸かりながら、私はそんな思いにふけっていた。
でも、これって私のわがままかな?
どこか満たされない胸の内が、いつの間にかじわじわと私の気持ちを蝕み始める。
どんなに巧さんに愛されていると分かっていても、どんどん気持ちはわがままになっていく。
こんなんじゃあ、いつか巧さんに愛想つかれるかな?
そんな事を考えているうちに、心配した巧さんがバスルームのドアの前まで来ていた。
「……美優、大丈夫か?」
少し長湯をしてしまっただけでもこうやって心配して駆け付けてくれる巧さん。
これじゃあゆっくりテレビも見ていられないかも。
「…い、今、上がります」
そうバスルームのドアの向こう側にいる巧さんに声を掛ける。
私の声を聞いた彼は、ドアの向こうに遠さがって行った。