秘密の時間
私が泣き止むまで、彼は私を抱き寄せ背中をトントンと優しく叩いてくれて。
そんな彼の優しさにいつまでも甘えている訳にもいかないから、だから泣き止んだと同時に彼の腕の中からそっと離れた。
「ごめんな、美優……」
離れたと同時に彼の口から突然謝罪の言葉が飛び出して、
その言葉の意味をどう捉えていいかも分からなくて、私はただ俯いて彼に握られている手を見詰めていた。
ねぇ巧さん、私はあなたを信じてもいいんだよね。
「ごめん……」なんて謝られてしまうと、やっぱり不安になる。
彼にこんな事言わせてるのは私なんだ。て思うと余計に……。