秘密の時間
暫く車を走らせて、立ち寄ったのはコンビニだった。
「朝飯、まだだったろ。
少しおそくなったけど、何か食べようか」
巧さんの提案に「はい……」なんて返事して車から降りる。
辺りを見渡せば私達が住んでいる所よりちょっと田舎で、遠くにだけど山が見える。
それに、車を降りた途端まとわりつく空気は少し重い。
確かにあまり天気は良さそうじゃあないが、ちょっと違うかな?
そんな空気を感じて肌を擦ると、彼がぼそっと呟いた。
「もう少し行くと海がみえるんだ。
その辺で食べようか」
コンビニでサンドイッチやおにぎり、飲み物を買い込み再び車は走り出す。
いつもより真剣な彼の横顔をちらっと眺めて、私は窓の外に視線をずらした。