秘密の時間
「もう泣くな。明日、目が開かなくなるぞ」
なんて言いながらそっと指先で涙を拭ってくれる。
そう言えば、なんで部長は私に親切なんだろ?
どちらかと言えば鈍臭い子だし、仕事もろくに出来てないし、とにかくダメダメちゃんなのに…。
そんな事考えながら部長を見つめていると、急に部長の胸元が近づいた。
そしてかわいい、チュッという音がして、おでこに少しだけ違和感を感じた。
えっ!
声にならない驚きと、次の瞬間あり得ないほど近づく部長の胸元。
ほんのり薫る部長の香水の香りに、ドキッと鼓動は高鳴った。
「てーか、美優が悪い…」
「……」
部長の小さな呟きが何となく切なくて、胸がキュンとする。
「ぶ…部長、今、私に…」
キス…しましたよね!
「ふたりだけの、内緒な」