秘密の時間
秘密の帰り道
この日を境に、先輩おじいちゃんからのお茶のお誘いは無くなった。
その分スムーズに仕事は進む。
だから残業なんて最近はしてないし、だから、部長との接点もなくなってしまった。
まぁ、部長は大人だから私なんか相手にする訳ないけど…、
ましてな奥さんいるし、社内にだって綺麗な人はたくさんいる。
なーんて、何度も心の中で言い訳しても、やっぱり気が付くと私の視線は彼を探していた。
ランチの時間。
いつも同期の葉子〈ヨウコ〉ちゃんとランチする。
葉子ちゃんは同期の中でもかなりのしっかり者のお姉さんで、いつも鈍臭い私をリードしてくれる。
部署は違うけど、それでもこんな私を見つけると声を掛けてくれて、落ち込んでると話まで聞いてくれる。
同期なのに、先輩みたいな頼もしい人、だったりする。
「ねえ葉子ちゃん、大橋部長って…」