秘密の時間


お昼に葉子ちゃんから聞いた話を思い出す。


『部長んち、もうダメみたいよ。夫婦関係破綻してるらしい』


「……」



結局その言葉に、私は何処か救われてたのかもしれない。


いい人ぶって『悲しい…』なんて言っといて、本心は違ってたんだ。



ぽたぽた落ちる涙は、もう簡単には止まらない。


嫌な自分を目の当たりにして、そんな自分が許せなかった。



その晩、そんな事ばかり考えて、だから眠れなかった。



でも、どうしよう?


気付いてしまった本当の気持ち。

きっと部長の顔だってまともに見られないかもしれない。


それよりも、ちゃんと部長の前で平常心で居られるの?


明日明後日は休日だからいいけど、月曜日は?大丈夫!?



なんか堂々巡りの休日だった。


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