秘密の時間


7時を過ぎ、フロアに残ってる人はぽつりぽつり。


まだ終わらない仕事に、一息吐こうと給湯室へ向かった。


いつもならもう帰る時間なのだが、今日に限って上手く仕事が進まない。



とりあえず、少し甘めなカフェオレを作りその場で頂くと、気分を切り替えようと努力した。



デスクに戻り、残りの仕事に取り掛かる。


だけど一向にはかどらない仕事。


いつの間にやら8時も過ぎ、フロアに残っているのは、私と部長だけになった。


「まだ、終わらない?」


不意に声を掛けられて、ピクリと揺れる身体にクスリと部長は笑みを漏らす。


「あっ、部長…」


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