秘密の時間
そして、パニック気味な頭を抱えたまま、数分後。
何故か部長は私達のいる喫茶店に現れた。
「美優、ちゃんと聞きたいことは聞くのよ!
その為に大橋部長呼んだんだから」
小声でそうまくしたてると葉子ちゃんは入り口に立つ部長に軽く手を振る。
部長もそれに気付き私達の席に近づいて来る。
「じゃあ部長、後のことは頼んでも、いいですか?美優のこと」
「あ、ああ、分かった」
葉子ちゃんが去りぎわに部長とした会話。
さっきの電話で何を話したかは知らないが、何となく息の合った会話に不安の色を隠せなかった。
「じゃあ美優、頑張ってね」
軽く耳元で囁いた葉子ちゃんは部長に頭を下げると小走りに喫茶店を後にした。
「で、なんで泣きそうなんだ?」