秘密の時間
秘密?の告白
部長に見つめられたまま数分。
多分益々泣きそうな顔をした私が、ここに居るのだろう。
自分じゃあ顔は見られないから…、鏡でもない限り。これは予測。
ストンっと落ちた私の気持ち。それを部長の前だけでは隠さなければいけないのに、きっとだだ漏れだ。
運ばれてきたコーヒーに口をつけて、私が話しだすのを待つ部長は、やっぱり落ち着いていてどこまでも大人な態度で、
私ばかりが子供っぽく見える。
「美優、
もしかして美優はこれが気になるのかな?」
悪戯に微笑みかける部長は、もしかしたら私の気持ちを見透かしたのか、左手の薬指を指差した。
「えーと、あのー…」
まさにその通りだから何も言えなくて、だけどそこには真実があって。
複雑な胸の内に、私はコトリと頷くしかなかった。
「そっか、美優は気にしてくれるんだ…」
「……」
それから部長はもったいぶった様に、悪戯に笑い、言葉を伏せた。