秘密の時間
「よし、これで終わりかな」
ダンッ、とEnterキーを押し、部長はふっと私から離れていく。
時間にしては10分も掛からないぐらいで、私が延々と終わらなかった仕事を終えてしまった。
なんだか、申し訳ない。
部長が10分で出来る仕事をを私は3時間も掛けてしまって…。
そんな事考えたら悲しくなって、泣きたくないのに涙なんかも溢れだしそうになる。
それをグッとこらえ部長のほうに振り変えると、よしよしと私の頭を撫でてくれ、優しい言葉まで掛けてくれる。
「いつもコーヒーありがとなっ。あと、コピー。
でもなぁ、中村、自分仕事優先でいいんだぞ。
そんな雑用する為に、この会社はいったんじゃあないだろ?
だったら、もっと自信もって働け。
そのうち結果も着いてくるさ」
「……」