秘密の時間
なかなか口を割らない私に痺れを切らしたのか、部長から話し始める。
「まずだ、何故、美優は俺の携帯の番号が分かった?」
「えーと…」
ど…どうしよ!
私はただ小山課長の名刺の裏に書かれた番号を…。
いいかな?これ見せてしまって。
このまま黙ってた方がおかしいし、嘘なんて思いつかないし、真実を述べたほうが後々のことを考えると、いいよね。
私はそっとバックの中から再び小山課長の名刺をテーブルの上に差し出した。
勿論、無言のまま。
どんな言葉を紡いだって、真実はこの一枚の名刺から始まっているのだから…。
「これって、小山の名刺…?」
「う…裏を、見てください」
部長は手にした名刺に驚いていた。
そして、ひっくり返した裏面の文字にもっと驚いていた。
「てーか、遣られたな!」
遣られた?