秘密の時間
そう言い掛けて、言葉を呑み込んだ。
な…なんて伝えよう?
彼にちゃんと伝わる言葉で私の気持ちをストレートに伝える言葉…。
「美優、言ってごらん」
部長の和らがない眼差しが私に降り注ぐ。
「あ、あのー、あのですね…」
「うん」
さあ、頑張れわたし!!
「す…すき、で、あっ…」
もう、ひっちゃかめっちゃか。
ほ…本人を目の前にして告白なんて…、は…初めてだし、それにそんな余裕な態度取られてしまったら…。
「そっか、美優も同じ気持ちだったか」
よしよしと伸びてきた手は私の頭を撫でる。
その温かな大きな手に触れられるのがなんだかとっても嬉しくて、私は益々頬を赤らめる。
「同じ気持ち、だったんだな…」
部長の何気なく呟いた一言が、胸の奥に染み込んだ。