秘密の時間
ドキドキといつまでも早鐘を鳴らしてるみたいな鼓動は、一向に収まらない。
電車に乗っても、家に着いても、部長の声が耳から離れなかった。
晩ご飯も食べたけど、なんか何処に入っていったんだか?てな感じだし、そわそわふわふわした感覚はずっと続いた。
携帯は片時も離さず、今か今かと部長の電話を待ち浴びていた。
8時が過ぎて9時になって、一向に掛かってこない電話に、諦めに似た気持ちが広がり始める。
仕事に夢中で忘れ去られたかな?
もしかして誰かとご飯でも食べに行ってるのかな?
今日は、もう掛かってこないのかも!
こんなにも誰かを待つ事が辛い事だと初めて知った。
ベッドに横になると知らず知らずにこぼれ落ちる涙。
泣く必要なんてないのに、私は泣きながら眠りに落ちた。
その頃部長は…。