秘密の時間
年末の忙しいこの時期。
日付が代わるまで仕事だったり、なんて当たり前だった。
通常業務の他、他の部署の手伝いもこなす。
そんだけ頑張っているから今の地位がある訳で、
だけど、私生活はかなり荒れていた。
まぁ、仕事しか今の生活の中にはない部長だけれど、独り帰る部屋は淋しく仕事に夢中にならなければ遣っていかれなかった。
そして、気付くといつもの様に当の昔に日付は代わっていて、結局美優に電話する事は出来なかった。
また、同じ失敗を繰り返すのか?俺。
なんて苦笑しながら、ひとり淋しく帰っていく背中は、なんだか随分老け込んだ風に見えた。
私の知らない部長の一面。
部長はどんな思いで私に告白したのか、どうして出来ない約束をしたのか?分からないまま、ただただ悲しみに暮れながら眠る私だった。