僕はハーレム要員No.4です
『彼女』
僕と兄様には幼なじみがいた。
名前は、佐藤 美奈。凄く可愛い子で、優しくて、彼女程の善人はいないだろうと思う。
彼女と出会ったのは7歳の頃、普通の公園で兄様と遊んでいた時だった。
* * *
僕らの家は父がある程度有名な社長で、僕はぞくにいう社長令嬢だ。
そんな息苦しい地位を少しでも抜け出したくて、僕らは公園へ出掛けた。
僕らは砂場で山を作っては壊し、作っては壊す、ということをただただやっていた。
そんなとき、彼女は現れたんだ。
『なんでそんなことやってるの?
かなしいよ』
彼女は無言で地面に文字をかいた。
「どうして君は、話さないの?」
彼女はまた無言で、地面に書いた。
『わたしはこえがでないの』
『わたしはきみたちとはなせないの』
彼女は、声がでなかった。
何故か、僕らは声がない彼女に惹かれ
「一緒に、遊びませんか?」
といった。
彼女は無言で、微笑んだ。
それから僕らは、毎日公園へ来ては彼女といっしょにあそび、小学3年生には兄様は彼女に告白し、恋人になった。
幸せは続き、兄様達は結婚の約束までした。
あの日、あいつと会うまでは。