X人のご主人と愉快な式神たちの話
鬼門法師とグランドパンツァー
現代の妖かし祓い師というと、どうにもこうにも、
『美人で可愛い面もあって、
成績は常に上を行き、運動もでき、
スタイルも良くてもてる』
という印象ばかりが、現代の女子どもの頭――妄想の原点などに根付いてきている。
迷惑、極まりない。
鬼門(きもん)雅晴(まさはる)は舌打ち混じりに思うのだった。
炊き立ての白米に味噌汁をぶっかけ、それを噛まずにかっ込んで飲み込む。
――けっ、けっ!けっ!!
何度吐き捨てても飽き足らない。
女とは思えぬ顔つきになって、雅晴は制服のリボンをぶちりと取るのだった。
ああいう、他と違う能力がある、イコール、容姿も頭もいい、という法則は、
そもそもどうやってできたのだろうか。
嘘丸出しな法則を作り出した世間を、深く深く雅晴は恨んだ。