アナタとの距離
「……。朝か。結局あんまり寝れなかったな。」
重い身体を起こしながら急いで出かける準備をした。
雅紀の横を歩くんだから、少しは可愛くみせなくちゃ。。雅紀が可愛そうだ。。。
こんな最悪な私を連れて歩くんだから。。
「…おはよう。」
ホテルのラウンジで雅紀はすでに待っていた。
「……行くぞ。」
私とは一切顔をあわせない。
まぁ、いつもの事だけど。
それにしても、今日の雅紀は一段と格好良い。
カジュアルなんだけど、高校生とは思えない、どこか色っぽさと清潔感がある服装に、ルックス。
ラウンジで待っていた立ち姿に、通りがけの女性が皆振り返るほどだった。
「どこ行くの?」
なんだか私はデート気分になっちゃって。
ウキウキしながら雅紀に話しかけてしまった。
「……。適当に。」
雅紀は、それだけ言うとスタスタと歩き出した。
私は、それを追いかけるようにして歩いた。。
少し可愛く見せたくてピンクのフェミニンワンピースと身長が高い雅紀に合わせる為、そんなにはかない高めのヒールをはいて。。
雅紀が、誉めてくれないのは分かってるけど。今日はバレンタイン。。
少しは浮かれたって良いよね?