アナタとの距離






「さ、召し上がれ!」




あれから、雅紀と私はリビングに入りママの手料理を、ママ、パパ、雅紀、私で食べた。



ママの手料理を、また食べれるなんて思ってなかったから、本当にうれしかった。


4人で、たわいもない話しをして笑って。。

偽りの空間だけど、私にはすごく夢のような時間で…。

こんな幸せな空間だったら、たとえ偽りであっても、ずっと居たいと思った。







「じゃ、彩乃、また明日な。」





楽しい時間は、あっというまにすぎた。

パパとママと前みたく会話できて、雅紀とも沢山話が出来て、最高のバレンタインだった。




「うん。また明日。お休み。」







そして玄関のドアが閉まるとママとパパから笑顔は消えた。。

たぶん、きっとドアの向こうの雅紀もそうだと思う。。


所詮は、偽りで出来た空間だったんだから。




「ちょっと、彩乃。昼代よこしな。今ある金、全部。」




甘い夢を見てしまうと、必ず地獄がやってくる。。


私の人生の方程式。。

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