アナタとの距離
「……言っとくけど、怪しい仕事じゃないからな。。」
私の心、読まれてたみたい…
「今は、アドバイザーしてるんだ。夜の仕事のね。彩乃ちゃんは自分もそうだったし、周りの子もそうだったから知ってると思うけど、夜の仕事を選んでくる女の子達は、だいたいは闇を抱えてるだろ?どうしても大金が必要で…とかさ。。だから、そんな子達の少しでも不安を取り除いてあげたいなと思ってさ。もちろん、金は貸せないけど、仕事するにあたって、安全な職場を教えてあげたりとか、不安な事があれば相談のったりとかさ…」
「そうなんだ……。お兄ちゃんみたいな人がいれば、女の子も安心出来るよ。現に私がそうだった…。あ、ユウミも言ってたよ(笑)」
そう。
私が、あの夜の仕事に就く事になった時、まだ私は中学生だった。
不安で、怖くて、怖くて、震えが止まらなかった。
そんな時、お兄ちゃんに会った。。
優しく声をかけてくれた瞬間、私の震えが止まったのをいまでも覚えている。。