アナタとの距離

「で…。雅紀の事ちゃんと考えたか？」



沈黙をやぶった第一声は斗真だった。





「…。考えてみたけど、やっぱり分からないよ。。」



「彩乃さ、もし雅紀が苦しんでるのが分かってるのに雅紀がお前に何もいってこなかったら、どう思う？」




「え？どういう事？」




「…例えばの話だよ。雅紀がなんかの事情があって苦しんでるけど、お前には言ってこない。しまいには雅紀がその苦しんでる状況を回避する為に、彼女のお前からしたら理解しがたい行動に出る。しかも隠れてそれをやってる。薄々何か感じたお前が何かあったのかって聞いても、何も無いって一点張り。最終的には、それがお前にバレた。でも謝ってるだけで、なんでこうなったのかとか話さない…。なぁ、これじゃぁさ…」




















「虚しい…」














私はつぶやいた。









もし、こんな事があったら虚しい。


何がって…



怒りとか呆れじゃなくて…




たぶん虚しさが残る。







なんで私に言ってくれなかったのか？

なんで私助けを求めなかったのか？








そして、その現場を目撃してしまったら、助けられなかった、気づかなかった自分に情けなさを感じ…



後々、雅紀から事実を伝えられても「何で今更？遅いよ！」って思っちゃう…