アナタとの距離
ツライ出来事
「やっぱり、一緒に住まなければよかったな。」
「そんな事言ったって遅いじゃない。」
深夜リビングで、パパとママの会話が聞こえた。
なんとなく聞いちゃいけない気がした。
聞いてしまったら、全てが崩れていく気がしたんだ。。。
でも、私は怖くて動けなくなり、リビングに繋がる廊下に静かに佇んで会話を聞いていた。
「ねえ、どうしたら綾乃は大学へ行くかしら?せっかく行かせてあげるって言ってるのに。」
「さあ、どうだろうな。アイツは結構ガンコなところがあるからな。」
「でも、行ってもらわないと困るわよ。せっかく借金地獄から解放されるのに。」
「そうだな。彩乃を大学へ行かせたら借金は全部無しにするって、あの店長すごいな。彩乃は邪魔な子だけど、最後は役立ちそうだな。」
邪魔?
パパ…
「も~。ごめんね。だって、あの子、降ろそうとしたんだけど、降ろせる週数すぎちゃってたんだもん。元旦那とも別れたばっかりだから病院にも行けなくて~。」
そういうとママはタバコを出し吸い始めた。
どういうこと…
「いいんじゃないか。兄が妹の為に大学金出すって言ってんだからさ。彩乃が大学行けば、ここを出てくだろうし、関わらなくて済む。俺達も、どこか遠くに行っちゃおうよ。二度と彩乃に会わないためにさ。」
あれから私は、放心状態で家を出た。
薄い部屋着一枚で片手に携帯だけを持って、ただ歩いてた。。
か