放課後ワルツ
「あと2問くらい、ひとりで解ける!」
「さぁね。寂しくてそれどころじゃないかもよ」
「っ……」
悔しい悔しい悔しい!
何が悔しいって、早瀬が何となく私のことを気にかけてくれている風な素振りを見せるのが
……ちょっとだけ嬉しい、なんて思ってる自分!
「…そんなこと言って、家に連れ込んで何するつもりだ変態!」
「だから勉強だっつってんだろ。お前をどうこうする気は微塵もないから安心しろ」
「…その言い方、なんか腹立つ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てた果て、それなら晩飯もつけると言われ、ついに私は折れた。
……食い物に釣られる馬鹿な女、一丁上がり。
でも、実はそこまで嫌な気はしない。
まだ早瀬と一緒に居られる。
彼が傍に居てくれるなら、寂しさを少し、忘れられるから。