シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


………。

俺の頭はハテナだらけ。


見事って何だ?

櫂は何をしたんだ?


俺、ただ櫂が…玲の父親が裏世界に居る理由を聞いただけに思ったけど。


"さすがは貪欲な『気高き獅子』"?

どこにその要素あった?

???


"こりゃ一本とられました"と、いわんばかりに笑うクマ、アホハット、こけし。

"ちんぷんかんぷん"のまま、目を点にしているのが、俺と小猿。

あくまで独自マイワールドに突き進むのが、チビリスと小小々猿。


それらの類型に属しないのが、櫂と玲の父親。

そしてそのふたりの立場は逆転し、今や櫂が悠然と…そして男は苦悶の顔。


一体、何が起こった?

何で玲の父親が裏世界に居ることで、こうなった?

判らねえ!!!!


俺は再び頭を抱えて、地団駄を踏む。



「くくくくく。"どじょうすくい"は違うのにね。あの勘違いワンコ」

「ふむ…。ワンコ殿の勘違いを早く直してあげねば…」



………。


「小猿!! その勘違いチビ共を黙らせろ!!」


俺に怒鳴られた小猿は、またもや飛び跳ねた。


「さて、答えて貰おうか」


櫂が超然とした笑みを浮かべた。



「お前が"ここ"に居る理由。

お前は裏世界の"ここ"が何故必要だった?」


櫂は"ここ"を強調する。


「それは自ずと繋がるだろう。

表を捨て裏世界にきたお前が、機械で統括した表世界の情報が何故まだ必要だったのか。

久涅が無効の力を手に入れ、黒皇となって変貌しても…それでもお前がまだ、"ここ"で"それ"をしている理由」


"それ"?


「クマを使わした"必然"の氷皇。そしてクマの先には、"ここ"にいるお前。氷皇は狡猾で侮れない奴だが、無意味なことはしない。ただのお前の恨み話に付き合わせる為に、ここに導こうとしたわけではない。

必然で結ばれた意味が、"ここ"にある。


さあ、答えろ」


櫂はもう一度繰り返す。



「お前がここに居る理由は?」





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