シンデレラに玻璃の星冠をⅢ

出口 玲Side

 玲Side
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『あっちもこっちも手詰まり玲くん元気~?

蒼生ちゃんから、お待ちかねVal.2をお届けします。

ふふふ、レイクンの笑顔が頭に浮かびます。

胡桃カリカリしてるリスみたいで可愛いなあ☆』



「僕はリスじゃないよ!!」

「師匠、落ち着いて!!」



『ドーナツに悩んでもこれでばっちり。

考えるより歌って動け。←では☆ 

小リス大好き蒼生ちゃんより』


「え、もう終わり!?」

「早っ。師匠、2枚目あるみたいだ」



困った顔をした桜が、2枚目を上にした。




γ↑Sμγ→SμK◎γ←SμCH□R●CH◇γ□

K◆γ↑SμαNZμN□M↓GααKα←Z◎Tα

βεTαβεK□γ←Sμγ↓Sμγ↑SμK◎γ↓S

μCH○γ□CH□γ◆K◇γ←SμSαNSH◎

N○TSμYμGαα○↑Z◎N□MεN◇MεK

□γ↓Sμγ↓Sμγ←SμK◎γ→SμCH●γ◇

CH□R○K◇γ←SμβμD◎μN○HαNα

GαSH↓γ◆→Z◎YμγεYμγεK□γ↑Sμ



「「「「……これはなに?」」」」


アルファベットとギリシャ文字と記号の混在。


どこに統一性がある?

1枚目のどこがヒントになる?


なんだか眩暈がしてきた。


僕は座り込み、膝の上に芹霞を抱えて離さない。

どんなに逃げる体勢になられても、絶対離さない。


逃れようとする姿は、さすがに傷つくけれど…今はこちらに集中。


"ドーナツ"


これは多分、ここを見越しているはずだから。

腹立たしいけれど、またもや氷皇の掌の上だ。


ころころころ……。


頭に、転がる胡桃を追いかける焦げ茶色のリスが浮かんで、ぶるぶると頭を横に振る。

現実逃避で、おかしな幻想を抱いてしまった。


これも氷皇がリスなど言うからだ。

下膨れほっぺだった時から、さんざん揶揄され続けた僕。

今の僕のどこがリスなんだよ!!


「師匠……なんだか一番下に小さく、なにか書いてる…」


由香ちゃんの声に呼応して、僕らは青い紙の一番下を覗き込んだ。



『16700/4/H*1/10

この意味は……待て次号☆』



「「「「次号があるんだ……」」」」


とりあえず、次号に回されるものは今は考えるのをよそう。





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