シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
音が途切れた場所は――。
「……3箇所」
地面に書かれた石碑で位置確認をし始めた瞬間、
「ワンコー、僕の心は――」
四 九 二
三 五 七
八 一 六
「"一"と"八"、三"と"四"、"五"と"六"の途中、だな!?」
「そうぅぅぅぅ!!」
俺の耳が拾った通りだった。
「ビンゴ!!」
俺は、この位置が真実だと信じる。
耳が拾った奥義の経路…鉄の胡桃の軌跡は、地面に書いたものとどうも180度違う面の配置のように思えたから、実際のところは、
「"二"と"九"、"四"と"五"、"六"と"七"か……」
二は小小々猿、四はナナセ、五はチビサクラ、六は小猿、七は櫂が担当しているはずだ。
場所さえわかれば――
「チビ、180度回転して、不足位置に鉄の胡桃追加!!」
「了解、いっけえ!! 鉄の胡桃ポイポイ、改!!」
鉄の胡桃の補修が可能になる。
上空から鉄の胡桃が的確な位置に埋め込まれていく。
「そして連続発動、奥義サンダーボルト~」
勇ましく、チビはそのまま行くつもりだ。
暗い空に轟く雷鳴。
そして――。
「アタッッッックッッ!!」
バリバリバリ!!
地を走る雷。
音は途切れることなく突き進んでいく。
鉄の胡桃はきちんと――
「「繋がった!!」」
しかし……。
「完璧に終了したのに、なんで終わらねえ…?」
変化がねえんだ。
これだけ苦労したのに、なんだよこの消化不良感。
「もしかして……」
俺達が閉じ込められているからか?
ここから出ねえといけないのか?
ならばここは――。
「チビ、そこから地面ではなく上に向けて、"セカンド"発動!!」
「ええええ、上!? わ、わかった!! 究極奥義~ジャンピングサンダーボルト~」
その声が先ほどよりも近くに聞こえるということは、チビはもう落下を始めているのかもしれねえ。
俺は――急いで意識を集中する。
さあ、チビの呼吸に合わせろ。
「アターッッックッッッ!!」
チビの奥義に、俺の増幅の力を……!!