シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
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「由香ちゃん、やっぱりあたし、腐腐腐腐じゃないよ? あたしの想像の域を超えてるもの…」
「何言ってるんだよ、君は天下の久遠様と紫堂様と玲様を三角関係にまで発展させたんだぞ!!? 腐腐腐腐の泥沼化だぞ!!?」
ん?
「紫堂くんじゃなくて、凜ちゃん!!! だからあたしは…」
凜ちゃん無事かな…。
久遠、ちゃんと守って上げてるかな…。
「凜は女装した紫堂だって、神崎まだ信じてないの!!?」
「だったら、玲くんは同性で従弟の紫堂くんにぐらぐらしてたの?」
そっちの方が重大じゃないか。
「芹霞、僕はぐらぐらしてないから!!! そして僕は生まれてから今までもこれからもノーマル!!! 僕はずっとずっと君一筋!! 折角恋人になれたのに"清く正しく"攻撃くらって、何とかかわそうとしているのに…今度は腐に転換されたんじゃ…」
玲くんはぶつぶつ何やら独りごちながら、ぽっ…と赤くなって、
「由香ちゃん…その顔やめて…?」
「むふふふふ。言いたいことを呑み込まず、思っていることを言葉に出せる前向きな関係に進展していてよかったよ。
とりあえずおめでとう、師匠。此の場がこんな処じゃなかったら、クラッカー鳴らしてお祝いしたいよボク…」
そしてぐすぐすと泣き出して。
「よかったね、師匠。本当に…」
「ありがとう、由香ちゃん…」
「ぐすっ…」
あたしも貰い泣き。
「神崎、何で君まで泣くんだよ」
「判らないけど、あたしも仲間に入れて?」
「……。師匠、何だかこの先も不憫そうだ~」
な・ぜ・だ?
「これからが正念場だ、僕の」
1人玲くんだけ、力強く言い放つとにっこりと笑った。
「周囲には守備を徹底し、芹霞には攻撃を徹底しないとね…」
ぞくり。
何だろう、今寒気が…。
「し、師匠? ぼ、暴走は程々に…」
「ふふふ、暴走なんて言葉、あるわけないじゃないか。全ては愛だよ、芹霞を治す為の沢山の愛。そうだよね、芹霞?」
「う、うん?」
「君は治療に専念してね。早く良くなるように、僕は正々堂々、君が望む以上のたっぷりの愛を注ぎ入れるからね?」
「あ、ありがとう?」
玲くんの微笑みが…若干妖艶めいて肉食獣のように思ってしまったのは、今し方噴いた鼻血が起因だと思いたい。
「ん? 遠慮しないでね?」
ほら、玲くんはこんなに優雅でお上品。
「うわー、師匠…治療のせいにして、堂々と何処まで攻める気だろう。神崎、もつかなあ…」
由香ちゃんの哀れんだ声は、あたしの耳には届かなかった。
「由香ちゃん、やっぱりあたし、腐腐腐腐じゃないよ? あたしの想像の域を超えてるもの…」
「何言ってるんだよ、君は天下の久遠様と紫堂様と玲様を三角関係にまで発展させたんだぞ!!? 腐腐腐腐の泥沼化だぞ!!?」
ん?
「紫堂くんじゃなくて、凜ちゃん!!! だからあたしは…」
凜ちゃん無事かな…。
久遠、ちゃんと守って上げてるかな…。
「凜は女装した紫堂だって、神崎まだ信じてないの!!?」
「だったら、玲くんは同性で従弟の紫堂くんにぐらぐらしてたの?」
そっちの方が重大じゃないか。
「芹霞、僕はぐらぐらしてないから!!! そして僕は生まれてから今までもこれからもノーマル!!! 僕はずっとずっと君一筋!! 折角恋人になれたのに"清く正しく"攻撃くらって、何とかかわそうとしているのに…今度は腐に転換されたんじゃ…」
玲くんはぶつぶつ何やら独りごちながら、ぽっ…と赤くなって、
「由香ちゃん…その顔やめて…?」
「むふふふふ。言いたいことを呑み込まず、思っていることを言葉に出せる前向きな関係に進展していてよかったよ。
とりあえずおめでとう、師匠。此の場がこんな処じゃなかったら、クラッカー鳴らしてお祝いしたいよボク…」
そしてぐすぐすと泣き出して。
「よかったね、師匠。本当に…」
「ありがとう、由香ちゃん…」
「ぐすっ…」
あたしも貰い泣き。
「神崎、何で君まで泣くんだよ」
「判らないけど、あたしも仲間に入れて?」
「……。師匠、何だかこの先も不憫そうだ~」
な・ぜ・だ?
「これからが正念場だ、僕の」
1人玲くんだけ、力強く言い放つとにっこりと笑った。
「周囲には守備を徹底し、芹霞には攻撃を徹底しないとね…」
ぞくり。
何だろう、今寒気が…。
「し、師匠? ぼ、暴走は程々に…」
「ふふふ、暴走なんて言葉、あるわけないじゃないか。全ては愛だよ、芹霞を治す為の沢山の愛。そうだよね、芹霞?」
「う、うん?」
「君は治療に専念してね。早く良くなるように、僕は正々堂々、君が望む以上のたっぷりの愛を注ぎ入れるからね?」
「あ、ありがとう?」
玲くんの微笑みが…若干妖艶めいて肉食獣のように思ってしまったのは、今し方噴いた鼻血が起因だと思いたい。
「ん? 遠慮しないでね?」
ほら、玲くんはこんなに優雅でお上品。
「うわー、師匠…治療のせいにして、堂々と何処まで攻める気だろう。神崎、もつかなあ…」
由香ちゃんの哀れんだ声は、あたしの耳には届かなかった。