シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「櫂はん~ノリ悪いで~? 櫂はん青春真っ盛りの17歳なんやろ? 今時の若者なら、iPhoneや"ついった"は常識や。それに思っているコト吐き出せばすぅっと心が楽になるんやで?」
櫂は少し考えて、やはり顔を背ける。
「いらん」
櫂は頑なだった。
iPhone…。
面白いってテレビで聞いたことはあるけれど、機械を爆発させる俺には無縁な代物だ。
玲にしてみたら、まだまだバグだらけで自分で作った方がまだ性能はいいらしく、拡張性だかをみれば今自分が使っている…いわゆるガラケーと呼ばれるものの方がいいらしい。
そうなのかもしれないけど…俺は知ってるぞ?
芹霞がスマホ系アンチだから、あえてしないだけだろ。
お前ならガラケーだろうとそうでなかろうと、その気になれば改造しちまうだろうが。
しないのは…芹霞に嫌われたくない為だろ?
多分…櫂もそうだ。
桜は…どっちでもいいに違いねえ。
櫂と玲がスマホやiPhoneに切り替えれば、同じ系統のものに変えそうな気がする。
だけど俺にとっては他人事。
だって俺、携帯電話そのものが使えねえし。
電話とメール以外、何が出来るか全くちんぷんかんぷんだ。
「iPhoneには、ガラケーには出来ない素晴らしい動きをするんや。見てみぃ?」
アホハットは、俺達の前で実演してみせた。
「ひーちゃん印のiPhoneは外部機能はなくとも、個機内での主機能は健在や。此処をこうして…こうぱぱぱっとすれば、此処にこうのぼって…こんなことも出来れば、こんなことも出来るんや。ほら、くるくるも回る。どうや? 携帯とは違って面白いと思いまへん?」
そして今度は回答を、櫂ではなく…覗き込んでいる俺と小猿に求めてきた。
俺は普通の携帯機能というものは判らないけど、
「うわ~面白そう!!!」
「すげ~」
簡単に動いて大きさ変えられることに驚いて。
小猿もそうらしい。
俺達は揃って大喜び。