シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
俺はまた画面を見る。
頑張って入力したものを、全て見れるなんて凄い!!!
機械のことはさっぱり判らないが、画面触れれば何かが反応するのが面白くて…あちこち、ぽんぽんぽんぽん…指の腹でイロイロ画面を叩いたり触っていたら。
あれ…?
「あ? おい、アホハット、アホハット!!!」
「なんや、ワンワンはん」
「なあ…画面が突然、見慣れないものに変わったんだけれど。囓られたシルクハットにひの字の小せえイラスト下の、"フォロー"20って何だ? しかも"この機械は非表示"とか、"全てのパスワードを無効にする"とか、"情報が更新されたら、自動的にデータを同期しあう"…って何?」
「!!!! な、何をどう触ったら、絶対判られないはずの秘密の設定画面に…いやこちらの話。そ、それはなあ…」
何で汗かくんだ、アホハット。
アホハットは、そやと…手を叩いて。
「このひーちゃん印のiPhoneは、ワンワンはん、櫂はん、翠はんの3人で仲良う使って貰うものや。だから1時間において、1人の連続"吐き出し"回数は20が限度やっちゅうこと!! ひーちゃんアイコンは、そのiPhoneがひーちゃん印だからなんや!! どや、完璧やろ!!!」
俺は目を細めた。
何が完璧?
「吐き出すのに、何で時間と回数制限? ストレス発散のためのものなのに、逆にストレス溜まるじゃねえか」
「なんやその…正論じみた反撃…。き、機械にもイロイロあるんや!! 1人1人の連続吐き出しが短期間で重うなりすぎたら、受け取る機械だってストレス溜まって大変やろ?」
「そんなもん?」
「そんなもん」
…らしい。