シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「おお~!!!"アメリカ横断ウルトラクイズ"!!!懐かしいな、がはははは!!!」
「そうやろそうやろ~? クマも実物見てみたかったやろ~? それ、ピコン!! もう一度、ピコン!!!」
「うおおおお!!! スピーカー付きの帽子だったのか!!? 俺にもやらせてくれ!!!」
餌に食いつく熊の如き…クマ。
「「「………」」」
勝手に盛り上がる…2人は同年代らしい。
あれ程クマをオッサン扱いしていたのに、今は気にならない…"同士"に昇格したらしい。
ピコン!!
ピコン!!
「「「………」」」
俺達は白い目で情報屋を見つめれど、情報屋は得意満面で破顔するクマに自慢するばかりで、こちらの反応には気づいていないらしい。
「うわ~ださっ。今時あんなので答えないといけないの?」
「最年少の小猿に言われちゃな~。世代(ジェネレーション)ギャップ?」
「俺…凄く恥ずかしいんだけれど…答えるのは…」
「小猿、俺見るなよ。俺だって嫌だよ。だとすれば…」
2組の視線は俺に向いて。
俺は…情報屋とクマの戯れる様子を見ながら、あの変梃(へんてこ)な帽子を被って、すまして答える自分の姿を想像して。
何だか、気分が悪くなった。
しかし2組の目の…期待に満ちた眼差しを見ていれば、彼らの中では消去法しか選択方法がないらしく。
だから俺は――
「……。あれで答えれば…
精神が…鍛えられるな?」
そう、2人ににっこりと笑った。
「「!!!!」」
考え込む2人は…さて、どんな結論を出すのだろう?
煌と翠の反応は、意外だった。
あの音とあの動きに…食いつくように思えたが、実際、食指は動かないらしい。
一応好みが…あったんだな…。
やはり彼らは、計り知れない。