シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
「では定義(ルール)を確認する。
オニが指定した色を触れて移動し、人形の指定色の首飾りを、規定のクリア数以上取ること。制限時間は…15分とした。
もしも違う色の場所を触れたり、違う色の首飾りを取ったり、10秒以上動きがなければ…オニが攻撃する。
俺達がオニを攻撃してしまえば、オニの攻撃レベルは上がる…そんな処か?」
『お答えします。そんな処です』
「あ、あのさ…」
翠が震えながら聞いた。
「オニって…ナマハゲよりも怖いの?」
余程その悪夢が怖かったのだろう。
『お答えします。比較にならぬ程、恐ろしいものです』
「「うげッッッ!!!」」
煌と翠が変な声を上げる。
『告知します。オニの指示は絶対的です。攻撃レベルが上がれば、攻撃と共に…オニは条件や制限をしてきます。そうしたら、その定義(ルール)が新規に適用になります。現時点の定義(ルール)を知りたければ、お声を掛けて下さい』
「ワンコ…条件に制限って何?」
「俺に聞くなよ。何かさ…櫂。俺…すげえ嫌な予感しかしねえんだけれど」
俺も同感だ。
「ニノ…俺、この鎖つけて移動しないといけねえの?」
『お答えします。そうです。鎖が違う色に触れぬようお気をつけ下さい、イヌ』
「もう…イヌに突っ込む気力なくしたけど…ハンデってこれかよ? だったら俺、これ抱えるか…触れねえ様に急いで移動しないといけねえな」
「わ、ワンコ…どうすんだ?」
俺は笑って、翠の頭を撫でた。
「煌は大丈夫だ。もっと凄い鍛錬をしてるから。そうだろ? お前不安か?」
「いや…崖じゃねえのなら何とかなるし。俺が不安なのは…そんなことじゃねえんだよ。俺が心配なのはオニだよ、オニ!!!」
「ワンコはいつも、どんな鍛錬してるんだ…?」
煌の不安を余所に、翠は何やら独りごちている。
その時、ピーっというホイッスルが鳴った。
『告知します。これからイロオニを始めます。
GOOD LUCK!!!』
それと共に――
石畳から、店舗やら…色がルーレットのようにめまぐるしく変わっていって。
そしてアナウンスが聞こえた。
『いろいろ、なにいろ~!!!!?
あははははは~』